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2022.04.28
LOISIR×KEI MAEDA COLLABORATION
今回、LOISIRとお野菜Tシャツでコラボレーションをしている
フォトグラファーでアートディレクターでもある前田 景さんに、美瑛の暮らしについて伺いました。
美瑛は長い冬と短い春夏秋という北国の季節の巡り。長い冬はすべてが雪に覆われ、暮らしも一変します。不便なことも多いけれど、雪は心を落ち着かせ、そして次の春へと心と体の準備をするために必要な期間だと思います。それは自然にも言えて、冬こそがこの北の大地の水を、土を育んでいるのだと思います。短い春夏秋は鮮烈で、あっという間にまわりの風景がかわっていきます。日々その風景の中にいると、季節を追いかけるだけで精一杯になってしまうくらい、目まぐるしい変化です。雪が溶け、芽が出て、葉が茂り、一気に夏へと向かいます。
春には僕らも小さな畑に種を蒔き、苗を植え、野菜たちの育つ姿を間近に見ながら季節を感じています。小さな農園を持つことは、育てる楽しみももちろんありますし、野菜がどうやってできるのか、ひとつひとつ実践して知る良い勉強にもなっています(失敗も多いです)。そして同時に、農家さんたちの苦労や技術を身を以て知ることにもなっています。
美瑛に移住する前から、ときどき美瑛に来て撮影はしていましたが、春夏秋冬の季節の合間の微妙な移り変わりや小さな発見にカメラを向けることも多くなりました。たとえばフキノトウは誰でも知っていますが、それがフキになるまでの姿や、花を咲かせて綿毛を飛ばす姿はこちらに住んでいなければ撮ることはまずなかったでしょう。今までは何となく目に入っていた白樺の木も、こちらに来てから気をかけてよく撮影しています。木肌の白さは季節によってかわる気がします。
〈カブ〉
これはカレンダーをつくった1年目の1月に確か使った写真です。いま思うと、もっと綺麗に撮れそう、とも思うけれどこの「いつも見る」カブの感じが良いのかなとも思います。友人のアートディレクターにお野菜カレンダーについて「やりすぎじゃないのがいい」と言ってもらえて、確かにそうだなと。スタジオできっちりとライティングして野菜を野菜以上の、彫刻のように見せることが目的ではなくて、見てほしいのはいつもの野菜の姿なので。なので 撮影はすべて自然光です。
LOISIR×KEI MAEDA T-SHIRT ¥9,240
〈アーティチョーク〉
とても洒落た野菜ですよね。かたちも、食べ方も。日本人である僕には、どこか憧れもある存在で、その姿を見るだけでちょっと気分のあがる野菜です。
LOISIR×KEI MAEDA T-SHIRT ¥9,240
〈にんじん〉
人参は何回も撮影していますが、細い人参はかわいらしくて、お皿の上でも付け合わせとして映えますね。美瑛の青木さんという農家さんの野菜はいつもびっくりするくらい美しく、美味しい。尊敬しています。
LOISIR×KEI MAEDA T-SHIRT ¥9,240
Text:前田 景
前田 景 / まえだ けい
1980年生まれ、東京出身のアートディレクター、フォトグラファー。多摩美術大学卒業後、広告、書籍、ウェブなどのデザインを手がけながら、フォトグラファーとしての活動も開始。妻である料理家 たかはしよしこのレストラン「SSAW BIEI」や調味料「エジプト塩」のディレクションも務める。2020年に北海道・美瑛町に移住。祖父である風景写真家・前田真三のフォトギャラリー「拓真館」のリニューアルを計画中。